2010年2月17日水曜日

トプカプ宮殿のハーレムの鉄格子とお風呂の関係



 イスタンブール滞在中。博物館通いの毎日。
 トプカプ宮殿も、今では博物館ということで訪ねてみた。たくさんの人びとが訪れていた。中でも人気は、財宝展示とハーレム。ハーレムは観光客の妄想的好奇心をくすぐるので人気なのだろう。足許を見て別料金になっている。
 解説では、ハーレムには、300人もの女性がいたそうである。それらを黒人宦官が仕切っていたとのこと。
 スルタンが崩御すると、これらの女たちは全員「嘆きの家」と呼ばれる宮殿に移され、次のスルタンが即位すると、その母だけがトプカプ宮殿に戻る権利があったのだそうだ。そして、スルタンに即位した皇太子以外のすべての兄弟は、オスマンの掟に従って殺されたそうだ。しかし、皇太子たちが子どもだったりして、それはなんでも忍びないということで、掟は改められ、全員はハーレム内に幽閉されることになったとのこと。
 幽閉と言っても、お妾だけは何人でも持てたらしく、100人を超えるようなお妾たちが、幽閉された元皇太子たちを慰めたとのことだった。
 しかし、彼女たちは、妊娠すると密かに宮殿から連れ出されボスフォラス海峡に沈められたという。血統を単一に保持するための掟だったのだろう。
 ハーレムに幽閉された女たちの生活は想像すべくもないが、窓には美しく金色に装飾されてはいるが頑丈そうな鉄格子がはめられ、その一方、幽閉の気晴らしのためか、ゆったりとして豪華な風呂場が設けられていた。鉄格子と豪華な風呂場。
 自由と快楽との取引は、いつの世にも、究極の選択を人生に迫ってくる。

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